【映画感想・ネタバレあり】ブラック・クランズマン【BlacKkKlansman】:衝撃と現実に返るラスト!!
勝手なスコア【4/5】
★面白かった
★また観たい
★友人にお勧めしたい
☆購入したい
★思い出すシーンや言葉が沢山ある
映画のジャンルと種類
白人至上主義団体のKKK(※1)に黒人刑事が潜入捜査した、同名のノンフィクション小説を映画化したものになります。
予告で観るとコメディ色の強い映画に見えましたが、実際は結構ハラハラする場面もあったり人種差別について考えるシーンもありで...なんといっても特に最後が衝撃的でした...。
最後のシーンをいれるのに賛否両論があったとのことですが、私は入れてよかったと思います。
実際には、映画の中の世界からラストで急に現実世界に戻ってきて現実を突きつけられる感じ、かなり人種差別へのメッセージがある映画だなと感じました。
そして、主人公のロン・ストールワースを演じたジョン・デビット・ワシントンはなんとあのデンゼル・ワシントンの息子さん!
相棒のフリップ刑事は、「スターウォーズ」シリーズのカイロ・レン役で有名なアダム・ドライバーが演じています。
※1:KKK(クー・クラックス・クラン):白人至上主義(正式には北方人種)を掲げるアメリカの団体。
あらすじ
コロラドスプリングス警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワースだが、職場の同僚から差別的な嫌がらせを受けていました。
ある日情報課に配属されたロンは、新聞広告に掲載されていたKKKメンバー募集に電話をする...白人として(笑)。
電話で、黒人やユダヤ人やスペイン人など差別発言を繰り返した彼は入団の面接までこぎつけます。
黒人であるロンは面接にいけないため、同僚の白人刑事フリップに協力してもらい、電話はロン、対面はフリップと2人で白人ロンを演じながら潜入捜査を展開していきます。
その中で、2人はKKKが黒人に対して爆破計画を立てていることを悟り、何とか回避しようとするのですが...。
予告
感想(ネタバレあり)
全体の感想
予告を観てみたいと思って映画館に観に行ったのですが、結構、銃の練習シーンの的が黒人になっていたり、ユダヤ人の相方のフリップが潜入捜査で色々と感じる部分や、集会でのウェイトレス達の顔の表情とか...なんか、色々と観てるこっちも考えさせられた。
KKK集会と黒人集会が同時に進行していく場面も、凄く考えさせられました。
お互いの集会で映画の話が出てきますが、1つの事象が全くKKKと黒人達で全く違う事実で、人の思考について考えさせられますね...。
日本にいるとそんなに人種差別について、考える機会はアメリカよりも少ないのかなと感じています。
こういう映画を観ないと、正直、実感し考えることはないのかなぁと感じました。
なんで、こんなに別の人種を憎めるのか不思議...。
後、全然、関係ないけど、俳優さんとかってこういう時のセリフとかってどう感じるんでしょうね...。
全く人種差別なんて思ってない人だったら、役とはいえ大変だなぁと思いました。
シュールなジョークもあり笑えるシーンもありましたけどね。
ロンが実は黒人とばれてからは、パトリスが爆弾で狙われていたのもありましたし、結構ハラハラでした。
でも言っちゃなんだけど、ぶっとんだのはKKKの人達で良かった。
ロンをいじめてた警官も一緒につかまって良かった!
そしてロンの正体をばらした時も、爽快!
十字架を燃やすシーンでの、ロンとパトリスのシーンの引き?が、何かのホラー映画と一緒で(タイトル忘れてしまった)、またここでそういうカメラワークをもってくるかと唸らせられました。
近い時期で同じ黒人の人種差別で実話ベースの「グリーンブック」がありましたが、また全然違う感覚をうけました。
なんというかあえていうなら「グリーンブック」は子供むけ、「ブラック・クランズマン」は大人向け、という感じがですかね。
最後の衝撃シーン
衝撃のラストシーンは、やっぱり燃える十字架を見つめるKKKのメンバーから2017年の実際の映像に移ってからですかね。
映画館でこのシーン観た時衝撃でした。終わった後に、暫く言葉出ませんでした。
あー、終わったーと思ったら十字架燃えるシーン出てきて、2017年の衝撃のシーンだったので。
ネオナチや白人至上主義達の夜に焚火をもって行進したり、更にそして実際のKKKの元理事で映画にも出てきたデービット・デュークも2017年の姿で出てきます。
そしてなんといっても2017年8月12日のバージニアのシーン。
集まる人々の中に、1台の車が突進していき轢くシーンが上からも横からもリアルに出てきます...。
実際に人が車に轢かれることなんてみたこともないし、思ってなかったところからのシーンだったので衝撃でした。
映画ではない、本当の人の心の叫びが...。
あれは、アメリカの南北戦争で奴隷制維持のために戦った南部諸州軍の将軍の像の撤去計画に抗議する「右派を団結」集会が開かれているのと同時に、それに抗議する人々との衝突のシーンらしいです。
実際に女性が1人、亡くなっています。Rest in Peaceではなく、Rest in Powerって書かれているのがスパイク監督の気持ちなんだろうなぁと感じました。
ここが一番メッセージ性強くって、なんかただの映画で終わらせねーぞっていう監督の気持ちが伝わってきました。
2017年でも、あんなことがあるなんて...。
アメリカの歴史
1960-80年代のアメリカでは、まだ黒人への人種差別が根強くありました。
1963年にマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが平等を求める「I have a dream」で有名な演説をした通り、公民権運動など平等を求めるアフリカ系アメリカ人の闘争が盛んでした。
ちょっとこのころの歴史を知っておくと、更に理解ができるかもですね。
まぁ、集会の映画の中で衝撃的な話をしていますから、この時代の差別がいかに酷かったかがわかりますね。
監督と評価
「マルコムX」などで知られる、スパイク・リー監督がメガホンをとりました。
そして下記の通り、かなり評価も高く、批評家支持率は95%で平均点は7.4/10とかなり高いものとなっています。
・第71回カンヌ国際映画祭では審査員特別グランプリを受賞
・第91回アカデミー賞では、作品、監督、助演男優賞など6つの賞にノミネートされ、採取的には脚色賞を受賞
・第76回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)を含む4つにノミネート
音楽やカメラワークなどの独特でシュールでそういう意味でも、楽しめました。